作品紹介

Shall we 断酒?

【著者】若林 毅
【出版日】2021/5/7
【出版社】風詠社
【ページ数】223ページ

 

還暦を機に人生の棚卸しをしてみようと思った。
森村誠一氏によると60代は高齢者の新入りで、70台が中堅、80台がベテランということになる。充実した余生を送る為にも、今ここで断行すべきことがあるのではないだろうか?アメリカのTVドラマで「二つ目の扉を開ける前に一つ目の扉を閉めておけ」というセリフがあった。私にとって、今がまさに「人生の断捨離」のときなのかもしれない。

 

生業である自らの会社事業にいくら精魂込めて頑張っても、いつまでも「まだまだ」という気持ちはなくならないし(いい意味にとればそれがモチベーションなのかもしれないが)、 趣味の絵画や音楽や読書とかになると、達成感については一生味わえないのではないかとさえ思ってしまう。つまり何かを始めることについては最後まで修行中で終わりがないが、何かをやめることについては即時即刻、達成感を味わうことができるという意味である。

 

前置きが長くなったが、私自身48歳で煙草をやめ、60歳を前にしてお酒をやめた。
「やめないといかんな」と思いながら、どちらも長年続けてきた習慣だ。
「やめたいけど本当にやめられるだろうか?」と考え続けてきた習癖でもある。
煙草もお酒もギャンブルもすべてに共通するのは「依存性を持っている」点だ。
したがって一度始めると「ハマってしまい」やめたくてもやめられない状況に持っていかれる。ある意味薬物と同じで、足を洗うことができず厄介な付き合いを継続させられるのだ。

 

私自身、お酒の業界でお世話になってきた身なので断酒本を書くことには忸怩たる思いがあったが、私はここで「いま皆でお酒をやめましょう」といっているのではない。
「何とかしてお酒をやめたいけど、やめられない」という人たちに読んでいただきたいのだ。
お酒好きな私の退職後は毎日が休日となり、「昼からビール」の自堕落な日々を重ねるか、そうしないための激しい葛藤の日々を続けるか・・といういずれか一方の高齢者になる予定だった。どう考えても明るく充実した余生とはいえない。

 

そこで「断酒」を決行した。12年前に「卒煙」と称して禁煙した経験がある。
一度通った道だった。人から見たら小さな出来事かもしれないが、自分史の中では燦然と輝く成功体験だった。そのとき編み出した手法をお酒にも用いてみた。するとすごく楽だった。
煙草の時と同じく一発でやめることができた。自分は決して意志の強い人間ではない。いや非常に意志の弱い人間だ。だからこそこの方法を考えついた。「断酒テキスト」の作成だ。

 

やめるための準備が「断酒活動」の8割を占める。意志の力は2割でいい。
そしてお酒を飲みながらでもその準備(断酒テキスト作成)ができるという画期的な方法だ。
楽しむからこそ成功する「断酒活動」のユニークな手法を、この本で次々とご披露していく。
さらに何より大切なのは「飲酒への未練がなくなる」方法であるということだ。
飲みたい気持ちを我慢しながらやめると、「禁酒地獄」となって長くは続かない。

 

他にも、“エア断酒” “たまの一口戦法” “お酒バスターズの買い揃え” “視覚的ダメージ作戦” など特殊技の数々をご紹介しながら「断酒テキスト」の妙味と有効性を伝えていく。

 

人は年齢を重ねるとともに、したくてもできないことが増えてくる。
しかし本当はしない方がいいと分かっていることを、自分の方から切り捨てていくことで、新たに身軽で素晴らしい世界が出現する。真に意義深い人生を歩めるようになるのだ。
私はこれを「引き算の人生観」と呼んでいる。引き算の人生とは実は大いなる足し算の人生だった。依存性のある厄介者を切り捨てることで、価値あるものを手にすることができた。

 

私自身が考え出した、未練なくお酒をやめられる唯一の方法である「断酒活動」を通して、まるでダンスを踊るかのように楽しみながらお酒をやめませんか?  “Shall we 断酒?“

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